働き方改革 2024.05.16

幸福な従業員が生産性のカギ!従業員エンゲージメントの向上戦略

幸福な従業員が生産性のカギ!従業員エンゲージメントの向上戦略

現代のビジネス環境において、従業員の幸福度は企業の生産性と直結する、極めて重要な要素です。「従業員の幸福度はどのように企業の成果に影響を与えるのか?」「そもそも幸福度にはどんな要素が含まれるのか?」「従業員の幸福度を向上させ、企業としてのパフォーマンスを最大化するにはどんな施策が有効なのか?」など、幸福度向上に取り組む際に抱くであろう疑問を解消するための実用的なガイドとしてお役立てください。

科学的証拠:幸福な従業員が生産性を向上させる

従業員の幸福度が高いと、個人の生産性だけでなく、組織全体のパフォーマンスにも顕著に表れるという研究が多数存在します。代表的な研究結果について、概要をご紹介します。

オックスフォード大学の研究
オックスフォード大学の研究チームが実施した2019年の研究では、幸福度が高い従業員は、そうでない従業員に比べて生産性が13%向上することが確認されました。この研究では、コールセンターの職員に幸福度に関する簡単なアンケートを実施、通話数やセールス転換率と合わせて分析したところ、幸福度の高い従業員はそうでない従業員に比べて通話数が多く、セールス転換率も高いことが示されています。
オックスフォードの研究(外部サイト)

Gallupの調査
Gallupによる調査では、エンゲージメントの高いチームを作るための「Boss to Coach」というプログラム*に参加した従業員は、同様のプログラムに参加していない同業他社の従業員に比べてエンゲージメントが最大22%、パフォーマンスが20~28%向上し、離職率は21~28%低かった、と報告されています。

*Boss to Coach:リーダーがコーチングや効果的な評価方法、部下の強みの活かし方を学ぶことで、チーム全体のエンゲージメントを向上させる取り組み
Gallupの調査(外部サイト)

これらの科学的証拠は、従業員の幸福度が単なる個人的な問題ではなく、企業の戦略的な利益に直接的に寄与する重要な要素であることを示しています。従業員の幸福度を向上させる取り組みは、投資としての価値が高く、企業の生産性と競争力の向上に不可欠です。

従業員の幸福度とは何か?

従業員の幸福度は、心理的、物理的、社会的、そして経済的要素が複合的に作用するもので、これらがバランス良く整えられることで高まります。

心理的要素として、自己効力感、所属感、適切な認識と報酬、意味と目的、自律性、成長と発展の機会が重要で、これにより従業員は仕事への意欲と充足感を感じることができます。
物理的要素としては、オフィスのレイアウトや照明、温度と空気品質、エルゴノミクス、リラクゼーションエリア、適切なテクノロジーの利用があり、これらが快適さと効率を支え、生産性を向上させます。
社会的要素には、効果的なコミュニケーション、透明性、協力とチームワーク、リーダーシップとサポート、多様性と包括性が含まれ、これによって従業員間の結びつきとエンゲージメントが強化されます。
そして経済的要素として、適切な給与と報酬、競争力のある福利厚生、職場の経済的安定性など、公平で透明な報酬システムが従業員のモチベーションに良い影響を与えます。

これらの要素を戦略的に取り組むことで、組織は従業員の幸福度を高め、全体的なパフォーマンスと生産性の向上を図ることができます。

成功企業の事例研究

Googleの革新的な働き方
Googleは、「従業員の幸福と創造性を最大化すること」を企業文化の中心に置いています。特に有名なのは「20%ルール」で、従業員は勤務時間の20%を自分の興味や情熱に沿ったプロジェクトに割り当てることができます。この方針から、GmailやGoogleニュースなどの革新的な製品が生まれました。また、Googleはオフィスデザインにも力を入れており、開放的で協力的な環境を提供することで、創造性と生産性を促進しています。さらに、健康食堂、フィットネスセンター、オンサイトの医療サービスなど、従業員の健康をサポートする多岐にわたる福利厚生を提供しています。

Zapposの企業文化と顧客サービス
アメリカのアパレル通販サイトZapposは「企業文化がそのままブランドである」という哲学を持ち、非常に独特な企業文化を築いています。顧客サービスの極致を追求し、そのために従業員一人ひとりが自発的に顧客満足を最優先に考える文化が根付いています。新入社員にはカルチャーフィットを確かめるためのトレーニング期間が設けられ、この期間の最後に、Zapposが自分に合わないと思った場合には合意のもと退職金を受け取って退職することもできます。徹底的に企業文化を尊重する、という決意が現れた制度です。これにより、社員全員が企業理念に深く共鳴し、高いエンゲージメントを持続できるようになっています。

Salesforceの社員中心のアプローチ
Salesforceは「従業員第一主義」を掲げ、社員が幸せであれば顧客も幸せになるという考え方を持っています。彼らは多様性と包括性を重視し、従業員が職場で自己を表現できる環境を提供しています。また、Salesforceは全従業員が地域社会との接続を持ち、ボランティア活動に積極的に参加することを奨励しています。これにより、従業員は仕事外でも価値ある活動を行うことができ、職場においても高いモチベーションを保つことができます。さらに、彼らは継続的な学習と自己成長のためのプラットフォームを提供し、キャリアアップの機会を創出しています。
これらの企業は、従業員の幸福を経営戦略の核として位置づけ、それを実現するための具体的な施策を実行しています。その結果、業界内での高い生産性と創造性を維持し、模範とされる存在となっています。

従業員エンゲージメントの向上法:実践的アプローチ

従業員エンゲージメントを向上させる方法として、人事制度の整備や人材育成など重要なポイントは多くありますが、変革するのには時間がかかります。これらの長期的な施策と並行して比較的短期間で実施できる方法として、多様な働き方に適応したオフィス環境の整備があります。特に、技術の進歩を活用して、従業員の働きやすさを向上させる方法が注目されています。

今回は、オフィス・働き方改革の実現に貢献するソリューションとして、EXOfficeの活用方法をご紹介します。

多様な働き方のサポート

リアルタイム位置情報
ビーコン機器やスマートフォンを利用して従業員の位置情報をリアルタイムで可視化することで、柔軟な勤務体系やフリーアドレスが普及している現代のオフィスでも誰がどこにいるのか(いないのか)が一目でわかります。また、従業員の位置情報は会議室やフォンブースなどの利用状況可視化や食堂の混雑度表示など利用用途は様々です。

座席・会議室予約システム
リアルタイムで空いている座席や会議室、フォンブースなどを予約できます。従業員は出社前にその日の目的に会ったワークポイントを予約してから出社することが可能となり、「オフィスに着いてから席やフォンブースが空いていない」といったことを防ぎます。また、位置情報と連動した自動チェックイン・キャンセル機能も備えており、オフィスの利用効率を最大化します。
※自動チェックイン機能⇒予約した時間に予約対象場所に近接すると自動でチェックインする機能
※自動キャンセル機能⇒予約開始時刻から一定時間(標準は15分)チェックインが無い場合に予約を自動でキャンセルする機能。
※EXOfficeの予約サービスはMicrosoft365やGoogle Workspaceと連動可能です。

テレワークのサポート
チェックイン機能を利用することで、オフィス内の従業員のみでなく、テレワークや外出中の従業員の状況も一覧で可視化することができます。
これにより、働く場所が分散していてもチーム全体がお互いの状況(位置情報やプレゼンス)を把握しやすくなります。

オフィス環境整備

位置情報統計データの活用
オフィス環境の改善には「現状」を正しく理解することが不可欠ですが、フリーアドレス環境下でそれは非常に困難です。EXOfficeでは従業員の位置情報をクラウドに蓄積&分析することで、オフィスの細かいエリアごとの利用データや会議室の利用率/稼働率などを把握することができます。それにより、オフィス内の人気エリア(不人気エリア)や会議室やフォンブースの利用効率(定員に対する利用人数の割合)などを把握することなどが可能となり、自社でオフィスのあり方を検討したり、設計、PM会社と連携することで、データドリブンのオフィスレイアウト最適化を検討することができます。

統合されたオフィス管理
EXOfficeは、Microsoft 365やGoogle Workspaceとシームレスに連携が可能です。カレンダー同期や自動チェックインなど、多様なオフィスツールとの連携した機能を提供します。これにより、従業員のオフィス体験が一層スムーズになります。例えば位置情報を把握し、当日のスケジュールやプレゼンスを確認してからTeamsでチャットや音声呼び出しを行うことで、位置情報のみでなく実際のコミュニケーションまでサービスの動線を繋げることができるなど、ワンストップでユーザビリティの高いサービスを提供します。

EXOfficeは、これらの多様な働き方とオフィス環境の整備において、中核的な役割を果たすツールです。このシステムは、位置情報やオフィスリソースの管理を自動化し、従業員の満足度と生産性の向上を図ります。特に、位置情報に基づくデータ収集やリアルタイムのオフィス管理機能は、現代の動的な労働環境において絶大な効果を発揮します。

未来への一歩:継続的な改善と展望

企業が未来へ向けて持続可能な成長を遂げるためには、働き方、オフィス環境、従業員エンゲージメント、そしてパフォーマンスの継続的な改善が必須です。これらの要素は相互に影響し合いながら、組織全体の進化と成熟を促します。今回ご紹介した実践的なアプローチを実施することで、企業は未来に向けて不確実性を乗り越え、持続可能な成長を達成することができるでしょう。従業員と組織の両方が進化を続ける中で、このような包括的なアプローチは企業にとっての大きな資産となります。