Engage・Clutchつなぐ・かみ合うを掲げたコミュニケーションを生むオフィス改革

【エックスオフィス導入事例】NSKワーナー株式会社
NSKワーナー株式会社
企業情報

企業名

NSKワーナー株式会社

本社所在地

静岡県袋井市愛野2345

主要事業

・ワンウェイクラッチ製品製造
・摩擦材製品製造
・クラッチパック製品製造

導入機能
位置情報、会議室予約、データ分析、EXMeeting
導入エリア
本社4エリア
ユーザー数
約400人
ビーコン設置
約170台
  • 「Engage・Clutchつなぐ・かみ合う」のコンセプトを採用し、社員同士の自然な交流を促進。
  • ペーパーレス化と社員の不安に丁寧に対応する準備がスムーズな導入の鍵に。
  • 導入後、社員の声に柔軟に対応しフリーアドレスからグループアドレスへ変更。

2019年後半から始まった工場併設の事務所リニューアル、それと並行してフリーアドレスの導入を含む大規模な働き方改革を推進した NSKワーナー。「Engage・Clutch  つなぐ・かみ合う」というコンセプトを掲げ、社員同士が自然に交流できる場を目指したそうです。その取り組みについて詳しく伺いました。

【フリーアドレスを導入した理由を教えてください。】
→ 大規模な事務所リニューアルと並行した働き方改革

工場併設の事務所リニューアルに伴う大規模な改修計画の一環として、フリーアドレスを導入しました。2019年後半から各所の改修が始まり、食堂や更衣室、オフィスエリアに至るまで、段階的に進められた大々的なプロジェクトでした。
改修の目的の一つに働き方改革がありました。当時のオフィスでは、島型に配置された固定席レイアウトで部署間のコミュニケーションが生まれづらいという課題がありました。新しいアイデアや交流が自然と生まれる環境には程遠く、新しい風が吹きづらい空気感がありました。
そこで、固定席をなくしてスペースを有効活用すると同時に、部署間のコミュニケーションを活性化していきたいという思いがありました。特に、コロナ禍でリモートワークが普及したことを受け、柔軟な働き方を実現するための環境整備が求められていました。

【フリーアドレスを導入した理由を教えてください。】<br> → 大規模な事務所リニューアルと並行した働き方改革

【どのようなオフィスを目指したのですか?】
→ Clutchのようにつながるオフィス

あたらしい動きをつくる
NSKワーナーでは、「グループの一人ひとりがあらたな一歩を踏み出し、あたらしい動きをつくりだす」というNSKビジョン2026のもと、その実現に向けてオフィスリニューアルを進めてきました。
社員が自分の意思で場所や働き方を選び、自律的に動き出せる環境こそがこれからのオフィスに必要だと考えたからです。部署や上司に物理的・心理的に縛られるのではなく、自ら選んで動き、成果を生み出せる。そんな“新しい動き”を日常的に生み出す舞台としてのオフィス空間を目指しました。

“衣・食・住”に込めた企業らしさと誇り
 「あたらしい動き」をつくり出す環境整備に向け「衣食住」の改革を進め、最初に「衣」としてユニフォームは、安全性・作業性・デザイン性を兼ね備えたものへと一新。NSK創立100周年を機に、グループとしての統一感と誇りを表すものとしました。
次に「食」の領域では、改修ステップの中でも最も困難だった食堂・厨房を刷新。セントラル調理配送から現地調理への変更に伴い、調理設備・排水処理設備の設計から、食堂ベンダーの選定、電子マネーによる自動精算方式への変更、売店の拡充、トイレの再配置に至るまで、空間と運用の両面で数多くの課題に向き合いました。社員の昼休み時間を分散させる「時差式ランチ」の導入なども取り入れ、快適で機能的な空間が実現し、福利厚生を充実しています。

Engage・Clutch (つなぐ・かみ合う)をコンセプトとしたオフィス
「住」としてのオフィス空間には、グリーンを効果的に取り入れるなど、ON/OFFの切り替えがしやすく、居心地のよい環境づくりにも力を入れました。細部にわたり「らしさ」の体現を意識しています。これからのオフィス・働き方のあり方として掲げたのが「Engage・Clutch (つなぐ・かみ合う)」というコンセプトです。私たちの会社がクラッチ製品を作る会社ということを掛けたアイデアで、部署内でつながる、部署間でつながる、拠点同士がつながることを掲げ、社員同士がより自然に交流できる環境を目指しました。
プロジェクトメンバーはわずか3人という少人数体制でしたが、自社らしい言葉を使ったことで経営層や社員の皆さんにも納得いただき、同じ方向を向いて進めることができました。

【どのようなオフィスを目指したのですか?】<br> → Clutchのようにつながるオフィス

【働き方の変化はありましたか?】
→ 出会いを生む座席設計でコミュニケーションが生まれた

新しい働き方になってから、オフィスの雰囲気やコミュニケーションが変わったなと感じるのですが、その理由の一つがグリッドレイアウトの採用です。
新しいオフィスでは、グリッド状に4人席デスクを90°向きを変えて配置することで、すべての席が通路に面しお互いの表情を見えるようになり、部署の垣根を越えた偶発的な出会いや会話が生まれやすい仕組みをつくりました。部署異動や組織構成、働き方を変更する場合にも柔軟に対応でき、各所にミーティングスペースを配置することですぐ打合せが可能なレイアウトになっています。
また、人が集まる複合機、文房具を集約したマグネットスペースや、リフレッシュできるカフェコーナーを配置し、自然と人が集まりコミュニケーションが生まれる環境を整備しました。
以前の縦に長くテーブルを並べた島型のレイアウトでは、部署内での業務は行いやすいのですが、部署間では会話しづらい雰囲気がありました。今は、開放的で視線も交わりやすくなり、自然なコミュニケーションが生まれやすくなったと思います。

【働き方の変化はありましたか?】<br>→  出会いを生む座席設計でコミュニケーションが生まれた

【EXOfficeの決め手は何でしたか?】
→ 位置情報と会議室予約の一元管理

検討の経緯
フリーアドレスの導入にあたり、悩みになるのが「誰がどこにいるのかわからない」という点でした。管理職の席もフリーアドレスになり固定化されていないため、例えば承認を得るために上司を探す時間がかかるなど、今までできていたことがスムーズにできなくなることは改革を進める上で弊害になります。そこで、リアルタイムで位置情報を把握できる必要性がでてきました。

決め手は位置情報と会議室予約の一元管理
もう一つ、位置情報システムとは別に、会議室が埋まっており会議室を予約・使用できないという問題を解決するため、会議室の空予約の防止、運用の適正化・効率化、利便性の向上を目的として会議室予約システムの導入も検討していました。それぞれ別々のシステムで検討を進めていたのですが、複数システムの導入はコストや管理の面でデメリットが多いので決めきれていませんでした。改めて別のシステムを調べていたところ、二つのシステムを利用可能なEXOfficeに辿りつきました。
位置情報と会議室予約の両方を一元管理できる、このシンプルな統合性が決め手となり、すぐに採用に至りました。

【EXOfficeの決め手は何でしたか?】<br>→ 位置情報と会議室予約の一元管理

【フリーアドレスやEXOfficeの導入にあたり取り組んだことはありますか?】
→ 書類削減や社内説明会の実施

書類削減のためのワークショップ
フリーアドレス導入に向けて、個人の書類削減のワークショップを実施しました。ファイリングの方法など実践的な内容でしたね。それらを経て、最終的には50%の削減を目標に書類削減に取り組みました。

社内資料や説明会の実施
新しいシステムや働き方に対する理解を深めるため、社内向けに資料を作成し、説明会を実施しました。その場では、「トイレも位置情報で検知されてしまうのか?」といった具体的な不安や疑問が挙がることもありました。そうした声に一つひとつ丁寧に対応したことが、スムーズな導入につながったと感じています。

【働き方改革はスムーズに移行できましたか?】
→ ランダムな席指定の失敗からグループアドレスへ

フリーアドレスを導入した当初は、席が固定化されないように当日の座席は抽選でランダムに割り振られていました。これは部署を越えた交流を促す意図でしたが、業務上のやりとりが多い部署では次第に、「部署内でのコミュニケーションをもっと円滑にしたい」などの声が上がるようになりました。
そのため、社員の声を聞いて部署ごとにエリアを設ける「グループアドレス」へ移行しました。グループアドレスの導入後は、「必要なときにすぐに相談できるようになった」「仕事がしやすくなった」というポジティブな意見が増え、業務効率が向上しました。

【働き方改革はスムーズに移行できましたか?】<br>→ ランダムな席指定の失敗からグループアドレスへ

【今後の展望について教えてください。】
→ さらなるデータ活用と業務最適化を推進

データ分析の強化
EXOfficeを活用し、働き方をさらに最適化していきたいと考えています。会議室やエリア、席ごとの稼働率や使用頻度を分析することで、よりよい環境づくり、働き方を目指したいです。

Outlookとの連携
今後は、Outlook・Teamsとのグループウェア連携を進め、会議室予約やスケジュール管理をよりシームレスに行えるようにする予定です。今は、EXOfficeで会議室を予約しても、Outlookには反映されないため二重管理状態になっています。連携が進んで、利便性があがることで会議室の稼働率がより高まることを期待しています。

社内文化の変革
フリーアドレスを導入したことで、部署間のコミュニケーションが活性化し、社員同士の交流が増えました。ただ、まだまだ始まりだとも思っています。これからは、働きやすいオフィス環境をさらに進化させ、社員がより前向きに、より快適に働けるような社内文化の形成を目指していきたいと考えています。特に、新しい世代の社員が活躍できる場を整え、挑戦できる文化を醸成していくことが今後の重要な目標です。

【今後の展望について教えてください。】<br>→ さらなるデータ活用と業務最適化を推進